離島ミステリーツアー 9

久米島
1月17日ミステリーツアーの最終日、ホテルを出て久米アイランドホテルで昼食を
取り、久米島空港から那覇経由で大阪伊丹に帰るスケジュール。
宿泊しているサイプレスリゾートホテルをバスが出発する11時までは自由時間。

自由時間を利用しタクシーで、国指定重要文化財、上江洲(うえず)屋敷へ行った。


具志川城主の末えいである上江洲家は、士族の位である親雲上(ペーチン)を称し、
代々、間切(まぎり:現在の市町村)の地頭代(じとうだい)を勤めた旧家です。
敷地は琉球石灰岩の立派な石垣とフクギが取り囲み、主屋をはじめ、前の家、
ヒンプン(屏風)、井戸など屋敷全体がよく保存されており、当時の様式を見事に
残しています。ヒンプンの中央には、冠婚葬祭や来客時に使用されたと言われて
いる竹垣で塞いだ中門があります。
重要文化財に指定されているこの上江洲家の住宅は「石垣殿内(どぅんち)」と
呼ばれている屋敷構えで、屋敷の周囲は、立派な石垣で囲まれています。
1754年に7代の智英によって建てられたこの屋敷は一番座、二番座といった
座敷から土間、竃(かまど)、富裕の象徴でもある豚小屋まできちんと
保存されています。
上江洲家は綿糸やお茶等の栽培を促進し、久米島の伝統文化でもある
紬(つむぎ)の製法を住民に普及させるとともに、貧民の救済、国王への献納
など数々の善行をしたことでも知られている。
立派な石垣とフクギの老木に囲まれた、琉球王府時代の士族の家。
屋敷の建築様式は琉球王朝時代の風水に基づいたものなので、屋根にシーサーは
ありません。沖縄独特の間取りや家具の配置には意味があります。
古くからある建物ですが、保存状態がとても良いので、昔の生活の様子を垣間
見ることができ、久米島の歴史と旧家の面影を感じることができます。
下屋(とんぐゎ)と母屋は別棟でしたが明治24年(1891)に下屋改築の際、
棟続きにした。

661坪(2185.1㎡)の敷地の中に、約92坪(304.7㎡)の建屋があり、
内79坪(259.3㎡)の大きな主屋と離れ。 主屋を中心に、東に14坪(45.4㎡)
殿内グヮー、西にフール(豚舎と便所)、南西に10坪のメーヌヤ(米蔵)、
東南に上便所(跡)、主屋の下屋(トングヮ)前には井戸があります。
石垣総延長167m、周囲143m、ヒンプン14m、折り曲げ石垣10m
(以上、久米島町観光情報やパンフレット等を参考にまとめてみました)



上江洲屋敷の周りは福木が何重にも植えられていた

福木のアップ写真

また福木の内側の屋敷周囲は石垣で囲まれていました

門の外側からは屋敷の屋根しか見えない

門から少しずつ上がる段があって、入ってゆくと目線が変わる

中門の石垣(ヒンプン)まで来ると屋敷が見えるように成る

ヒンプン「屏風」は、中国から伝わってきたもので、目隠しや魔除けの役割を
果たします。中央は竹垣で塞がれており、右に曲がるとハレのルート(男性)、
左に曲がるとケのルート(女性)というように振り分ける役割を持っていると
言うこと旅行から帰ってから調べていて分かった。
ヒンプン「屏風」をどうやらケのルート(女性)左入り口を廻って屋敷内へ
入ったようです。ヒンプン「屏風」を右に曲がるとハレのルート(男性)で正面に
見える石垣の向こう側にから屋敷に入るようです。

主屋

主屋の縁側

上江洲屋敷受付のチャイムを鳴らしても応答なし、参観料300円を容器に入れて
靴を脱ぎ、屋敷廊下に上がった。屋敷戸は見学できるように少し開けてあった。

おばあが居る時もあるようですがこの日は無人でした
縁側廊下の東側からの室内、一番座、二番座と続く

座敷内へは入らないでくださいと書いてあったので廊下から参観

9畳の一番座(客間)の向こう側には奥の間が見えます
掛床 「世濟其美」 (よよそのびをなす = 後代の人が前代の人の美を成す)

一番座(客間)の左隣の二番座は仏間

二番座の仏壇

二番座の片隅には酒壺と思われるのがありました。

富貴尊栄(ふうきそんえい)と読むのでしょうか?  (富みて身分尊く栄える)

正面は米蔵、右奥は豚舎、右端は下屋

下屋(とんぐゎ)台所の竈(かまど)

下屋(とんぐゎ)台所の竈(かまど)

下屋(とんぐゎ)台所の竈(かまど)、臼と杵

下屋(とんぐゎ)水瓶と石臼ならぬ木臼

10坪のメーヌヤ(米蔵)

庭の飛び石通路

トイレと豚舎(フール)

下屋(手前右)と主屋の裏側

左は下屋の台所、右は屋敷北西角のトイレと豚舎(フール)

屋敷の裏通路

屋敷裏の北東部には祭祀場と思われるところがありました

屋敷の北東角から東側の軒先下

屋敷の北東角から東側の軒先下

東の庭

ブーゲンビリアの盆栽と右の建屋は別棟殿内グヮー

庭の東南から屋敷

屋敷の東に14坪(45.4㎡)別棟殿内グヮー

別棟殿内グヮーの内部には箪笥などが保管されていた

別棟殿内グヮーの内の仏壇

屋敷の東側と左の建屋は10坪のメーヌヤ(米蔵)、その手前は井戸
ツアーのコースではなかったが、自由時間に貴重な文化財を見ることが出来良かった
雨が降りはじめ、携帯からタクシーを呼んでサイプレスリゾートホテルへ帰った。