心、この制御しにくきもの

心というものは 「やるぞ」 と思いきや 「やっぱり、やーめた」 とすぐ動揺したり、「好き」 かと思いきや 「気のせいだったかも」 などと右往左往する。「携帯電話をいじって時間を無駄づかいするのはもうやめよう」 と思ったはずが、うっかり 「 あの人からのメールはまだこないのかな」 と、その後に続く心の混乱を防御しそこなったりする。心というやつは、すこぶるコントロールしにくい。快楽の麻薬を求める欲望に命令されるがままに引きずり回され、それゆえにこの心には自由が無い。自分の心を見張る意識のセンサーを鋭く光らせて、この快・不快に引きずり回されえる心をコントロールするように。あたかも、矢をつくる職人が曲がった矢をまっすぐに美しくたたき直すがごとく。

小池龍之介著 「超訳 ブッタの言葉」 法句経33より引用しました。