鰐口と鈴

鰐口(わにぐち)とは仏堂の正面軒先に吊り下げられた仏具の一種である。
神社の社殿で使われることもある。 金口、金鼓とも呼ばれ金属製梵音具の一種で、
鋳銅や鋳鉄製のものが多い。 鐘鼓をふたつ合わせた形状で、鈴(すず)を扁平にしたような
形をしている。 上部に上から吊るすための耳状の取手がふたつあり、下側半分の縁に沿って
細い開口部がある。 金の緒と呼ばれる布施があり、これで鼓面を打ち誓願成就を祈念した。
鼓面中央は撞座と呼ばれ圏線によって内側から撞座区、内区、外区に区分される。


鈴は神道において、参拝時に神社の拝殿で振り鳴らして用いられる。
神社の拝殿には、鈴緒とよばれる縄の上のほうに大型の鈴が取り付けられており、
人間は鈴緒の下のほうを手で振り動かして鈴を鳴らし、神へ呼びかける。
ただし、神社で鈴を鳴らして拝むのは戦後に広く行われるようになったもので新しい。
出雲大社などでは昔も現在も拝殿に鈴はないし、地域の社や祠などにももともと鈴はさげられて
いなかった。 柏手を打って拝むのが本来である。
神楽舞(かぐらまい)を舞うときに巫女が手に持って鳴らす「巫女鈴」(神楽鈴)という
ものもある。中心となる棒に取っ手とその上部に3段に分けて、小さな鈴を15(3+5+7)個
付けた「七五三鈴」等が使われる。
この巫女鈴を変化させて拝殿に吊るすようになったようです。
鈴の原型は縄文時代の祭礼跡からも見付かっている土鈴で起源は古いようです。

(以上Webより)