11月14日、飛騨高山 高山陣屋の表門と奥に見える玄関をみるのは、陣屋前で開かれる朝市に以前何度か訪れたことはあるが、陣屋内部に入るのは今回が初めて、陣屋は思っていたよりも広くて立派でした。飛騨は元禄5年(1692)から幕府直轄領(天領)として、明治まで25代の郡代が陣屋に江戸から派遣され、幕府直轄領の行政・財政・警察などの政務を行ったそうです。
玄関を入った正面壁には、郡代の格式を示す(青海波)模様があります。内部には、御役所、御用場、大広間、役宅、吟味所、白州などのほか裏手には、高山城三の丸から移した御蔵(米藏)8戸前(藏は戸前とかぞえる)も昔のまま残されています。かつて年貢米を保管した藏で天領時代の歴史を物語る資料が展示されています。
宮川沿いの朝市と、この陣屋前の広場で早朝から朝市が開かれます
あっちにもこっちにも柱に鉄のうさぎがついています。ちょっとずんぐりとした体系で愛らしいこれは一体なんでしょう? 「陣屋の釘隠しに使われているのは “真向き兎” というモチーフ。うさぎは子供をたくさん産むので縁起物として。また、火事から守ってくれる魔除けの力があると言われていたため。さらに、大きな耳は民衆の声をよく聞き、良政を行う志を表したものとされ、治世の象徴とされました。高山陣屋にはこの真向き兎の釘隠しが150箇所もあるようです。